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 時効の基礎知識


殺人犯人が20年捕まらずに逃げ切ると、逮捕されないとする時効。お金やものの貸し借りでも、この時効はあります。

逆に、お金を貸してても、うっかりしているとあっという間に取立不能になってしまいます。


 時効の援用と放棄


時効援用

「もう、時効だから、払わない」と、時効の完成を主張することです。

権利の上に眠る者を法は保護しないと言う考え方から、時効成立を主張しないと認められないというわけです。

せっかく時効が成立しているにもかかわらず、代金の一部を支払ったり、債務の承認をしてしまうと、その効果はなくなります。

反対に、相手が時効を主張しなければ、内容証明で請求して債務をもう一度承認させてしまうとか、一部だけ支払をしてもらい自分の債権を保護するという方法もあります。


時効放棄

「時効の利益はいらない」と、いう主張です。

時効が成立したからといって、借りたものを返さないとか、支払はしない、というのは、嫌だという人の主張です。

でも、時効の完成前に放棄はできません。

契約書に、「時効は放棄します。」という条項を入れても無効です。



 時効の停止と中断


時効は停止・中断の主張をしないと認められないものです。

必ず内容証明郵便で行います。

時効停止

時効中断の手続をすぐにはとれないが、もうすぐ時効になってしまう!というときに、一定期間、時効の完成を猶予する、というものです。

内容証明郵便など、確定日付のある書面で、相手方に送ります。

6ヶ月以内には時効中断の手続をとらなければなりません。


時効中断

時効の中断をすることによって、時効の進行は振り出しにもどります。
以下の場合に「中断」したことになります。

(1)裁判上の請求
   裁判上で請求しなければなりません。
   裁判で請求を却下されたり、取下げられたら中断しません。

(2)差押えなど
  差押え、仮差押え、仮処分などです

(3)承認
  承諾書を書いてもらうとか、一部でも支払をしてもらうということで、承認し
  たことになります。まずは、話し合いをして、だめなら、内容証明郵便をうま
  く使い進行します。


     消滅時効


    ある一定期間が過ぎてしまうことによって、あなたの権利がなくなってしまいます。

    相手が債務を認めたり(一部支払や、債務承諾など)、こちらが裁判上の手続をしないと、時効になり、「お金、返して下さい」と言えなくなります。

    とりあえず、内容証明郵便で相手に請求して時効を停止させましょう。

    そうすれば、6ヶ月間の猶予ができます。

    その間に、裁判手続してください。

    場合により、内容証明郵便を送った時点で、相手がお金を返してくれるかもしれません。

    時効が5年以下の場合は、短期消滅時効と言いまして、裁判などを起こして確定判決を得ると、時効が10年になります。

    逆に、この期間、何事もなく過ぎてしまえば、お金を返さなくて済みます。



    消滅時効についての詳細

    貸金について

    (1)
    商人の貸金

    ・・・返済期日が決まっているものは、その期日から5年
    ・・・返済期日が決まっていないものは、貸した日から5年

    (2)銀行などからの貸金

    ・・・貸付金支払日から5年

    (3)貸金の利息や遅延損害金

    ・・・利息は貸付日から5年 遅延損害金は、支払期日から5年

    (4)個人間の貸金

    ・・・返済期日が決まっているものは、その期日から10年
    ・・・返済期日が決まっていないものは、貸した日から10年

    (5)不当利得返還請求

    ・・・返還請求権の発生日から10年

    商売上の債権

    (1)請求できる日から2年のもの

    品物の売掛金
    ・塾や習い事の月謝

    (2)
    請求できる日から1年のもの

    大工、左官、植木等の手間料
    ・タクシー、引越トラック代、貨物運送費等
    ・料理店、キャバレー等の飲食代金
    ・ホテル等の宿泊代金、飲食代金
    ・機械リース代
    ・レンタルサービス

    労働債権

    労働者(パート、アルバイトを含む)の給料請求は、給料日から2年
    ・残業代・解雇予告手当てなどは、請求できる日から2年
    ・退職金は、退職日から5年
    ・会社役員の報酬は、請求できる日から5年
    ・不当利得返還請求は、返還請求権の発生日から10年
    ・工事請負代金は、3年
    ・短期払いの賃金(労基法の適用外賃金)は、1年

    土地建物賃貸借

    家賃・地代は、支払期日から5年
    ・敷金・保証金の返還請求は、10年

    損害賠償請求など

    不法行為(交通事故・不倫・傷害・器物破損)は、
       被害者または法定代理人が損害および、加害者を知ったときから3年。
       不法行為の事実があったときから、20年以内

    ・債務不履行(安全配慮義務)は、10年

    ・慰謝料は、3年

    瑕疵担保責任(損害賠償請求)

    請負工事は、引渡し・仕事終了時から1年
    ・土地工作物は、5年 
       瑕疵が原因で滅失した場合は滅失時より1年

    ・特に強固な土地工作物は、10年
       瑕疵が原因で滅失した場合は滅失時より1年



     取得時効


    所有権の場合

    1.「所有」の意思をもって、占有していること
    2.平穏かつ公正であること(凶暴でなく、占有保持を隠さないこと)

    以上の要件がそろって、20年たつと、自分のものになります。

    更に、占有しはじめたときに、自分に所有権があると思いこんでいて、そう思いこむことに過失がなければ、10年です!




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